石油燃焼機器アフターサービス事業:
農家に寄り添うセイカンの原点

Business

北海道の農業を支える機器に、万全の備えを、現場に寄り添うアフターサービスの原点

1976年、石油燃焼機器のアフターサービス事業は、塚田英樹が新聞で「石油ストーブの定期メンテナンスの重要性」を知ったことをきっかけに始まりました。当時、オイルショックでドラム缶洗浄の需要が減る中、セイカンではホームタンク洗浄事業を進めていました。それに続く新たな事業として、「セイカンには技術者がいる、自分たちで石油ストーブのメンテナンスができるはず」と判断し、メーカーと交渉。加温機やボイラーの修理・点検に取り組むこの仕事は、現場の農家に寄り添うセイカンの姿勢を象徴しています。夜中まで農家に駆けつけた創業期の努力は、今も続く定期保守や資材販売の原点となっています。

テキスト:吉田拓実

Index

    事業名

    石油燃焼機器のアフターサービス事業

    事業内容

    石油燃焼機器のアフターサービス業は、家庭用暖房機器、ハウス用加温機、ジェットヒーター、牛舎用高圧ボイラーといった営農用の石油燃焼機器の修理や保守点検を行う事業です。事業開始当初は、主に故障後の修理対応が中心でしたが、2006年からは定期保守契約も本格的にスタートし、毎年、使用時期の前に点検・整備・消耗品の交換を行い、機器を万全な状態に保つ定期サービスも展開しています。

    事業の経緯

    本事業が始まったのは、1976年のことです。セイカンの前身である北海道セイカン工業時代に、ドラム缶洗浄業、ホームタンク洗浄業に続く三つ目の柱としてスタートしました。

    背景には、1973年の第1次オイルショックの影響で、燃料輸送がドラム缶からタンクローリーへと切り替わり、創業以来の主力事業であったドラム缶洗浄の需要が急激に減少したことがありました。これを受けてセイカンは、農家のホームタンク洗浄へと業務を転換。その流れの中で、さらなる事業として石油燃焼機器のアフターサービスに目を向けました。

    きっかけは塚田英樹が新聞で目にした「石油ストーブの定期メンテナンスの重要性」に関する記事でした。「セイカンには工場と技術者がいる。このメンテナンスは自社でできる」と確信した塚田はすぐに行動を開始します。

    最初に交渉に行ったのは、石油ストーブメーカーのサンデンでした。同社の製品は十勝管内に多く流通していたものの、営業所が近くになく、アフターサービスに時間がかかっていました。塚田はサンデンに直接足を運び、交渉を重ね、サンデン製品のアフターサービスをセイカンが請け負う契約を成立させました。その後、サンポットとの交渉も行い、両メーカーのアフターサービスをセイカンが担う体制を築いていきました。

    セイカンらしさ

    石油燃焼機器の修理は、セイカンにとってまったく未知の領域でした。それでも、十勝の農業のためになると信じた塚田英樹は、サンデンに何度も通い、サービス店の資格取得や社員研修の調整を行い、事業を形にしていきました。

    北海道の厳冬期において、石油燃焼機器は農業の生命線です。特に酪農においては、ボイラーの故障が牛の健康や命に直結する深刻な問題になることもあります。セイカンはいつでも農家に駆けつけ、ときには夜中の1時まで修理に取り組むこともありました。この姿勢こそが、今もなお「農家に寄り添う」セイカンのサービス精神の原点となっています。

    現在とのつながり

    石油燃焼機器のアフターサービスは、現在のセイカンでも継続して展開している事業です。また、この事業の中でサンデンとの取引が広がったことをきっかけに、石油燃焼機器や冷凍ストッカーの販売も始まりました。これらの経験は、後の営農資材販売事業の立ち上げへとつながる重要なステップとなっていきました。

    サンデンのアフターサービスを始めたころの北海道セイカン工業

    このエピソードのDNA

    • 農業に貢献できるのであれば、未知の事業でも挑戦する
    • 農家の切実な課題の解決に取り組む
    • メーカーとの直接交渉で事業を立ち上げた
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