十勝沖地震発生:倒壊を免れたコンテナがある。それはセイカン製だった
Story
より「強い」コンテナを目指して
2003年9月26日――北海道十勝地方をM8.0の大地震(十勝沖地震)が襲いました。
特に太平洋沿岸地域では震度6弱相当の強い揺れが観測され、農業施設を含む多くの建物やインフラに甚大な被害が発生。
農協の倉庫や保管施設で保管中の鉄コンテナが倒壊・変形する事故が相次ぎました。
農家によって、収穫物や守るためのコンテナが一夜にして使えなくなるという深刻な事態でした。
そんな中で、倒壊せずに残ったコンテナがありました。それは「セイカン」製。
このできごとをきっかけに、より「強い」コンテナが作られることになります。
テキスト:外山暁子
2003年、十勝を襲った大地の衝撃
まだ街が目を覚ます前、午前4時50分に地震は起きました。波に乗っているかのような、立っていられないほどの激しい横揺れが続きました。出社した社員の耳には、酪農、畜産をはじめ、様々な農業現場からの声が届いていました。
各農業施設が心配になった塚田英樹は、すぐに現場へと向かいました。特に被害の大きかった十勝沿岸の地域では、道路の陥没や崩れなどがあり、現場に辿り着くのも大変でした。
崩れたコンテナの山
農協のコンテナが保管してある倉庫に到着した塚田英樹始め社員たちは、あまりの光景に愕然とします。整然と積み重ねられていたはずのコンテナは、無惨にもひしゃげていたり、崩れ落ちてしまっていたり、原型を留めていないものもありました。
その中にあって、唯一原型を留めているのがセイカンのコンテナでした。
実は、地震の直前に補強設計を施していたタイミングでの納入であり、結果的にこれが「耐震性を証明する偶然の実験」となりました。

「耐える」ではなく「壊れない」を目指して
コンテナ事業を開始後、当時は品質面で指摘を受けることも多く、それだけでなく、製造業の経験がないセイカンが作ったコンテナということで、一部競合企業からの攻撃的なマーケティングやセイカンに関する不正確な情報発信なども確認されていました。
安価なだけでなく従来製コンテナと同等以上の品質を目指し、品質改善の相談をしていた道立工業試験場から住友金属を紹介されたことで、コンテナの圧壊強度向上に取り組みました。他社でもやっていない補強を施し試験を実施。大幅な強度向上に成功し、設計に取り入れました。
その翌年に起きたのが十勝沖地震でした。他社のコンテナがことごとく倒壊している中、補強をいれたセイカンコンテナは倒壊することがなかったのです。


強度が信頼へ
農業現場で使われるコンテナは、耐久性、安全性、使いやすさなど、さまざまな面から総合的に判断されたものでなければなりません。その中でも、農産物の重量、トラクターなどの重機での作業、数年に渡って使用できる「強度」というのは、最も重視される点です。
セイカンでは、その「強度」において、他社にはない実験を繰り返し、設計を修正し、実際の現場で確かめながら、少しずつ品質向上に務めてきています。その地道な取り組みが明らかになったのが、「十勝沖地震」という自然災害でした。「壊れないコンテナ」ということで、セイカンのコンテナに対する評価が大きく上がることとなりました。